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【竹本塾No.33】人が成長するために必要な「動機付け」

2020.06.10

コラム

「企業は人なり」

「企業は人なり」。経営の神様こと松下幸之助氏の言葉です。人を育て、伸ばすことが会社にとって財産につながる。教育にもっと力を入れれば、成長力、競争力、顧客満足度に反映されると考えますが、何から始めるのかが大きな問題です。まずは徹底した基本の考え方を植えつけることが第一歩だと思います。

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受講者への動機づけが「教育が効率の投資」に繋がる

人が足りない、人はいるが仕事のできる社員が少ない、仕事のできる人が次々に辞めてしまうなど人材に関する問題は、経営者にとって悩みの種です。ただ多くの企業が、人材育成よりも日々の業務をこなすことを優先してしまがちです。資格取得や研修、セミナーを受けさせるなど人材育成に投資した分が丸々戻ってくる効率のよい投資なら教育にも前向きになれるでしょうが、なかなかそうはいきません。

では、どうすれば教育が効率の良い投資となり、業績拡大につなげることができるのか。それには教育研修のプログラムも重要ですが、受講者への「動機付け」が非常に重要です。なぜAさんにこの研修を受講してもらいたいのかという思いを明確に伝え、Aさんもその期待を理解した上で研修に臨む状態をつくり出すことが必要です。こういった話をすることで、研修の内容を仕事に落とし込むなど率先垂範する行動変化に影響します。人材育成は、個人面談などのコミュニケーションを通じて、お互いに「こうなってもらいたい」「こうありたい」という思いをすり合わせすることがポイントです。

上司が研修目的の理解を促し、
受講者の研修に対する期待感を高める。

受講者とその上司に対して働きかけ、研修目的への理解を促し、受講者の研修への期待感を高める。

驚くことに多くの受講者が研修目的を理解せずに研修会場に来ます。
今回の研修が仕事や職場、受講者本人にとってどのような意味があるのか、受講者とその上司が事前に認識することがまず必要です。
さらに、受講者に対しては、研修を通じて学んでほしいこと、身につけてほしいことなどの周囲からの期待を(主に上司から)明確に伝え、研修参加への動機づけを図ることが必要です。
事前案内を効果的に伝えないと、「受講者が研修参加に対して前向きでない」「上司が受講者の研修参加について知らない、関心が薄い」という状況に陥り、研修受講後の実践行動の障害になる危険性もあります。

日々の業務で「動機づけ」を活用することが重要

この動機付け作業は、教育研修を受講する場面だけでなく、日々の業務の中でも活用することが大切です。

動機付けとは、目標に向かって行動する心理的な過程のことです。動機付けがうまくいき、モチベーションがアップすれば、仕事に対して高い意識で取り組めるので、成果が出しやすく、また仕事を継続しやすくなります。

人事評価や報酬アップなどの外発的動機付けと、社員に達成感を持たせ、承認欲求を満たしてあげる内発的動機付けを上手く組み合わせることがモチベーションキープに役立ちます。

動機付け要因を構成する要素は、大きく分けて5つあります。1つめは、「達成すること」。この「達成」は仕事における達成感を意味します。2つめは、「承認されること」。同僚からの尊敬や組織からの称賛を意味します。3つめは「仕事そのものへの興味」。社員が持つ仕事への強い興味を意味します。4つめは「責任と権限」。社員が上司から任される仕事の重要度や裁量権の大きさを意味します。そして、5つめは「昇進や成長」です。社員が感じる仕事を通じた成長を意味します。仕事を通じた成長の実感は、仕事のやりがいを感じる上で重要な要素です。

動機付けがうまく働けば、社員の仕事に対するやる気がアップするでしょう。

人が育たない、人が辞めてしまうという問題に直面しているのであれば、部下に対して「期待」していることをちゃんと伝えられているのかどうか。まずはその現状を見つめなおすことから始められてはどうでしょうか。