Topics

【ルール事例②】シンプルなルールで大発展した歴史上の組織「イエズス会」【組織向け】

2022.01.05

竹本図書館

組織の発展や成功のためには、何が必要なのか?

 皆さんは組織の発展や成功のために、何が必要だと思いますか?

この答えは一つではないですが、確実なものの一つに良いルールが挙げられます。

事実、歴史上で大成功を収めた組織を読み解けば、良いルールを設定したことにより成功に繋がっていたという例はいくつもあります。

今回はその中でも、特に世界的大成功を収めた「イエズス会」について紹介します。

「イエズス会」とは?

download.jpg

 日本ではフランシスコ・ザビエルで有名な、カトリック系キリスト教「イエズス会」。これは過去にキリスト教が腐敗して宗教改革が起こった際に、カトリック教(旧体制側)が現状打破するために作った組織の一つです。主な役割は新しい信者獲得の策であり、現代の企業に置き換えれば顧客の新規開拓&新規事業の企画開発を任された、大手企業の下部組織・チームのようなものです。

 当時16世紀では、イエズス会以外にもいくつかの新しい修道会が生まれたのですが、唯一イエズス会はわずか10人程度からのスタートの中、独自のルールを採用してぶっちぎりに成長したのです。

「イエズス会」はどのようなルールを採用したのか?

 今回のキーワードは柔軟性(良いルールの3大要素の一つ)です。

※良いルールの基本原則についてはコチラ!

元々のカトリック教は例外なく、日常生活に至るため何百もの非常に細かい規則が定められていました。もちろん宣教を行う方法にも細かな決まりがあります。これをイエズス会は「人々の魂を救う」という最大の目的のみに焦点を当てて、宣教師や信者のためにわずかな決まりになるまで極限にルールを削り、柔軟性を加えたのです

例を挙げると、

download.jpg

・日課で行われる細かな決まり事や、礼拝などの義務の免除

・それぞれ各地の宣教先では、土地の生活様式に合わせて活動

 (例1)インドでは下層カーストに合わせボロを着て、道端で教えをインド音楽風の歌にして口ずさませる

 (例2)日本は戦国時代、武将の権力が強く外見重視な風土があったため、豪華な衣装を着て領主に謁見し、許可を得た。

 これらの行為は、本来カトリック教としては大きく常識から外れる(「非常識」「とんでもない」)行為であったのですが、大胆に無駄なルールをそぎ落としたことこそが成功に導いたのです

なぜ効果があったのか?

4357988_s.jpg

 なぜ、この方法で成功したのでしょうか?

イエズス会の宣教は異国の地での活動の為、いちいち上からの指示に頼れません。常に現地で自分たちの頭で考え、自分たち自身で決定し問題解決する必要がありました。このような状況では、細かなルールは行動の阻害となり、使用者の能力を窒息させてしまいます。また入信する上では同じルールを守るものになることなので、改宗の際、厳格で細かいルールはむしろ邪魔になっていたのです。

 このルールの下で活動したことによりイエズス会は、最初はわずか10人のメンバーのみでスタートしたところから、たった20年あまりの間で、宣教者だけで1000人を超え40以上の学校運営などを担うまで成長、現在に残るカトリック教最大の修道会にまで発展したのです。

 これは、現代の組織運営でも全く同じ事が言えます。「変化が加速する時代」と評される現代、斬新かつ有効な手を素早く打てるようにするためには、何よりも柔軟でシンプルなルールを基に行動する必要があるのです。

 

「愚者は経験から、賢者は歴史から学ぶ」

もし、あなたの組織を良くしたいとお考えであれば、一度ルールを確認し直してみればいかがでしょうか?

(主な参考文献)

「SIMPLE RULES」ドナルド・サル/キャスリーン・アイゼンハート著,2017年,三笠書房