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地方企業が今こそ見直すべき”人”の戦略【竹本塾 人材育成のタネvol.47】
2025.10.15
- 人材育成のタネ
【この記事でわかること】
1.岡山県内の中小企業が抱える採用・育成・定着の課題
2.「選ばれる会社」になるための採用広報のポイント
3.若手を育てるためのOJTと対話のあり方
4.組織開発の本質は“制度”ではなく“関係性”にあること
5.採用・育成・組織開発を一体で考える重要性
■ 岡山の中小企業が直面する「人材の壁」
近年、岡山県内の企業から「採用がうまくいかない」「入ってもすぐ辞める」「育てる時間がない」といった声を多く耳にします。
特に中小企業では、限られたリソースで日々の業務を回す中、人材戦略が後回しにされがちです。
人手不足や若年層の地元離れが進む現在、経営者や人事担当者には、人材に対する見方を根本から変えることが求められています。
■「選ぶ」から「選ばれる」採用活動へ
かつては募集を出せば人が集まる時代がありました。
しかし今は、学生も若手社会人も“働く意味”や“会社との相性”を重視しています。
採用活動は、一方的に選ぶものではなく「選ばれるための広報・営業活動」へと変化しています。
特に地方企業は情報発信の機会が少なく、企業文化や仕事のやりがいが外部に伝わりにくいのが現状です。
岡山県内でも、ホームページやプレスリリース、SNSを通じて社員の声や働く現場を発信している企業が、若者の心をつかんでいます。
ポイントは“人”を前面に出すこと。代表者や社員の想い、地域に根ざした仕事の意義を自社の言葉で丁寧に届けることが、今後の採用成功のカギです。
■ 育成の本質は「経験と対話」にある
入社後の早期離職が問題となる中、育成を研修プログラムだけで完結させようとする企業も少なくありません。
しかし、若手社員にとって最も大切なのは「誰と、どんな経験を積むか」です。
たとえばOJTも、ただ隣で見せるだけでは不十分です。
実際にやらせてみて、失敗に寄り添いながら都度のフィードバックを重ねる。
その過程で信頼関係が生まれ、自ら考えて動ける人材が育っていきます。
特にZ世代以降は、正解を教えるより「一緒に考える姿勢」に共感します。
上司や先輩が“教える人”から“対話する人”へと変わることが、育成の質を大きく左右するのです。
■ 組織開発の原点は「関係性」にある
「組織開発」と聞くと、大掛かりな制度改革や戦略立案を思い浮かべがちですが、その本質はもっとシンプルです。
――会社のためにもっと良くしたいと社員が思える関係性があるかどうか。
それこそが組織の土台です。
岡山県の企業では、堅実で安定志向、年功的な組織文化が根強いと言われます。
今こそ、若手の声に耳を傾け、現場に任せてみるなど“新しい風”を取り入れる柔軟性が求められています。
■「人」と「組織」の成長を一体で考える
人材難の時代において勝ち残るのは、人を育て、活かし、惹き付け続ける会社です。
採用・育成・組織開発をバラバラに考えるのではなく、
「人と組織の成長は一体である」という視点を持つことが、経営者と人事に求められています。