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研修効果測定における理想と現実 ~現実と向き合いながらも、有効な打ち手を導く為には?~【人材育成のタネ,vol.20】
2023.08.16
- 人材育成のタネ
- 竹本塾・竹本図書館
研修の効果測定をどうすべきか、多くの育成担当者が頭を悩ましています。重要性は高い一方、人の行動・能力・意識の変化を促すという研修の性質上、効果の測定・可視化は困難です。困難なりにどのような取り組みができるでしょうか?
研修を評価する4つのレベル
研修の効果測定は今までにも研究がなされ、多くの考え方が生み出されてきました。
今回は研修を評価する4つのレベルを紹介します。
これは研修効果を、反応・学習・行動・結果(トレーニングによるビジネス上の成果)の4つのレベルで評価するというものです。
レベル1:反応 参加者がどのような反応を示したか
レベル2:学習 知識・能力の向上はあったか
レベル3:行動 研修の学びがどの程度活用されているか
レベル4:結果 ビジネス上の成果があったか
レベルが高いほど、測定は難しくなります。
たとえばレベル1・2であれば、アンケートや振り返りシートを用いて研修の場で測定可能です。レベル3になると多くの場合、研修の場では完結せず、職場で一定期間を掛けて行動の変化を測定する必要が出てきます。レベル4になると難易度はさらに上がります。ビジネス上の成果につながるにはより多くの時間が必要であり、
また、成果を表す指標の変化と研修の関係性を見極める必要があるからです。モデル自体の説明は本題ではないため、大まかに4つのレベルがあるということ、レベルにより難易度が異なることを、ここではご認識ください。
研修の効果測定における課題
研修の評価レベルが高いほど、研修の学びをビジネスで活かせたか否かを判断できます。
しかし一方で、測定は困難になります。実際に、これまで筆者がお会いした育成担当者からは、以下のような声を多数お聞きしました。
・育成は短期で成果が出るものではない。どの程度の時間(期間)を見ればいいのかわからない
・成果との明確なつながりを見出せず、納得感が薄い
・測定に手間とコストがかかる
・研修後に職場の協力を得ることが難しい。得られたとしてもバラつきが生じる
・研修は複数やっていて、自身の業務も育成だけではない。とてもリソースが足りない
このような理由から、上述の「レベル1:反応」、もしくは「レベル2:学習」の測定で精いっぱいというのが、多くの企業さまの実態です。したがって、リソースが限られた中で現実をシビアに見つつ、知恵を絞ってベストを尽くす姿勢が重要です。
効果測定の3つのステップ
では、具体的にどのように考えればよいでしょうか? 3つのステップを紹介します。効果測定の考えはさまざまありますが、その一つとして参考になればと思います。
ステップ1:目的を押さえ、研修でどこまでやるべきかを考える(理想のゴールイメージ)
ステップ2:研修の種類を踏まえ、どこまでやれるかを考える(現実的実践)
ステップ3:理想と現実を加味し、どこまでやるかを決める
今回は、研修の効果測定に焦点を当て、効果測定の考え方の1つを紹介しました。
ステップ1として効果測定の理想を考え、ステップ2として現実的なラインを押さえ、ステップ3として実際の打ち手を決めていきます。厳密に測定しようとすれば難易度とコストが飛躍的に増すという現実をシビアに見つつ、知恵を絞ってベストを尽くす姿勢が求められます。
研修の効果測定は多くの方がジレンマを抱くテーマです。本コラムで紹介した考え方は、あくまで一例です。研修の効果測定でお悩みであれば、お気軽にお問い合わせください。
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