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職場でのセクハラはなぜ解決されないのか【人材育成のタネ,vol.21】

2023.08.22

  • 人材育成のタネ
  • 竹本塾・竹本図書館

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今のセクハラ対策は本当に効果があるのか?

 

セクシャルハラスメント(性的嫌がらせ:以下セクハラ)という言葉は、1970年代に学術界に浸透し、1977年には法的な概念として注目を集めるようになりました。

 

最近、改めて考えることがあります。

「過去企業でセクハラに対する解決策として実施した研修プログラムや苦情処理制度によって、職場環境は女性にとって、より快適なものになったのだろうか。」

「特に、これらの取り組みが、女性の管理職の数にどのように影響を与えているのか。」といった点です。

 

実際に、このあたりを弊社で調査したところ、従業員向けに課している研修も、導入した苦情処理制度も職場環境でのセクハラを解決する力にはなっていなかったのです。

それどころか、その2つとも、従業員の不満と離職率を高めているという結果も見えてきました。

 

では、具体的にどのような問題があったのか。まずはセクハラ研修の問題点について見ていきたいと思います。

 

 

 

セクハラ研修の問題点とは?

 

一番の問題は、研修の提示の仕方にあります。

通常、研修は義務化されており、それによって男性には「この問題に注意を払いなさい」というメッセージを送ることになります。また、禁止行為という基本的な部分にフォーカスすることにより、男性はやってはいけないことの境界線をわかっていないと言わんばかりになります。

 

基本的に「あなた達が悪い」と責め立てるような研修を実施すれば、それがどんな研修であっても、その人達は防御的になります

 

そうすると、その人達が、解決に向けて協力する可能性は低くなり、逆に抵抗しようとします。場合によっては、男性は被害者をより責めるようになる傾向も出てきます。

 

 

次に、苦情処理制度の問題点についても考えてみましょう。

まず考えなければいけないのが、制度自体の問題です。調査してみると、そもそもこの制度自体が逆効果となっているケースが数多く見受けられました。

 

ではなぜ逆効果となっているのでしょうか。

その答えは、セクハラを告発した被害者が報復を受けるからです。報復とは、加害者や周囲から、ののしられたり、嘲笑されたりといった行為のことです。こういった報復は長期的な影響を及ぼします。被害者の心身の健康状態も低くなります。しかも、被害者が告発してもこうした報復以外には何も得られない可能性もあります。

 

それでは具体的に、どのような行動を会社全体で取ることがセクハラに対する解決策になるのか。大きく3つあると考えています。

 

 

 

 

会社全体で取れる3つの解決策

 

1つ目は、トレーナー訓練プログラムです。これは従業員をセクハラ問題の専門家として育てるというもの。

2つ目は、ハラスメント・タスクフォースで、問題の診断と解決策の設計を従業員が担当するというもの。

3つ目は全員が進捗を確認できるように数字を公表するということです。

 

「測れないものは管理できない」という言葉のとおり、問題を明らかにするデータを向上すれば、従業員もそれに注目してその問題を解決することが文化となっていきます。

 

最後に、最終的には「企業文化を変えて」この問題の解決にもっと多くの人を巻き込む必要があります。

企業文化は究極的にはリーダーが創造するものです。リーダーはこの問題に責任を持つことを公に示し、みずからのチーム(企業・組織)でこの問題の解決を試み、すべての管理職の手本になる必要があります。

 

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