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あなたは部下を潰す“矛盾した指示”をしていませんか?~自分で考えろ×なぜ勝手に行動した~【新米人事の備忘録vol.8】
2024.09.18
- 新米人事の備忘録
- 竹本塾・竹本図書館
上司から部下への悪い指示とは?
会社のような組織が活動するためには、上司から部下への指示は必須の活動です。
この指示が上手くいかなければ、部下のスキルが高くても業務が上手く進みません。
もしも部下に仕事をスピーディーに進めてほしいのであれば、まずは上司の指示出しのスキルを高めることが大切です。
実は、よく言われる悪い指示でも少しポイントを押さえる事ができれば、指示の質は大きく良くなります。
そこで今回は、部下を疲弊させ、潰してしまうような悪い指示を例に、指示を出すときのポイントを紹介します。
今回の悪い指示:
「そのくらい自分で考えろ」×「勝手に行動するな」
あなたも一度は言われたり、言ったりしてしまったりした経験はございませんか?
上司も自分の仕事で忙しく、少し考えればわかることを聞いてきたときには、
「ここまで手取足取り教えないといけないのか」と億劫に感じる気持ちも分かります。
また新人が自分で考えて判断できるようにするために、育成の目的で自分で考えろと指示を出すことも多いでしょう。
しかし、この指示は新入社員から若手の層の部下にとって心身を疲弊させる指示です。
その理由は、質問者の立場になって考えれば分かります。
質問するということは、
・「教わっていない」
・「教わったが自分の理解が正しいか心配」
・「自分の判断や行動が、自分の分かる範囲の外で何か迷惑に繋がるかもしれない」
といった困りを抱えているから行うものです。
つまりはフィードバックを求めています。
特に新入社員は、まだ会社の暗黙的なルールが分からないという自覚がある分、
上司に確認を取りたいと考えるのは自然ですし、万が一のリスクを防ぐための行動として重要です。
このような際に「自分で考えろ」とだけ言われた場合に部下が思うことは、
「このような小さなことで上司の手を煩わせるな、自分で解決しろ」です。
上司に対して壁を感じ、頼ることを禁じられたと判断します。
そして情報リソースがないまま考えて行動し、その結果が「勝手に行動するな」ですので、部下にとっては矛盾でしかありません。
そして上司に対して育成能力に欠けていると感じ、不信感を募らせてしまいます。
この結末は、上司と部下ともに一切メリットのない結果です。
悪い指示の問題点とは?
では、今回の指示「それくらい自分で考えろ」のどこが問題なのでしょうか。
問題点①「上司が考えている意図が正しく伝わっていない」
この指示の最大の問題点は、上司は「自分で考えろ(考えて意見をつくってから確認に来い)」と考えているに対して、
部下は「自分で考えて一人で片付けろ(自己判断で行動しろ)」と解釈しているところです。
これはまさしく問題点①「上司が考えている意図が正しく伝わっていない」に当てはまります。
問題点②「なぜ最初に自分で考える必要があるのか」
そして正しく伝わっていない原因は、
上司が意図している理由「自分で考えて行動できるようにするための育成」の視点が指示から見えないこと、
つまり問題点②「なぜ最初に自分で考える必要があるのか」の「なぜ」の部分が伝わっていないからです。
上司の頭の中では、「後々は一人で全考えて行動できるようにするために、今のうちに考えるクセをつけさせる」という、
時間の流れを踏まえた「なぜ=育成」があります。
しかし、指示への部下の感じ方は「このような小さいことは、今考えて・今解決できるようになれ」
といった内容に伝わり、「なぜ=即戦力」と目線がずれてしまいます。
問題点③自分で考えさせた後の行動を指示していない
さらに、問題点③「自分で考えさせた後の行動を指示していない」は指示出しにおいて重要です。
そもそも指示は、指示した者が求める通りに指示された者に動いてもらいたいから行うものです。
「自分で考えろ」では、その先に何をすれば良いかが分かりません。
さらに部下が「上司を頼るな」と解釈していれば、本来上司が求めている『考えた意見を上司に確認する』を行うことはまず無いでしょう。
上手な指示の伝え方とは?
それでは、どのように指示を改善すればよいのでしょうか。
「自分で考えろ」の指示を、次の点を意識して少し詳しくするだけで、
上記のような考えのすれ違いはなくなります。
【今回の場合の例】
①Why(なぜ):後々は一人で出来るようになって欲しいから、
②What(何を):自分でまずは考えろ。
③How(どのように):案や解決策が思いついたら、改めて自分に確認するから声をかけろ。
④When(いつまでに):〇分後(〇時)になったら思いつかなくてもおいで。案が浮かんだらもっと早くても良し。
指示とは、仕事場から子育てまで年齢を重ねるごとに行う機会が増えてくるものです。
上手に指示することは簡単なようで意外と難しく、自力で手探りに上達するためには長い時間と意欲や継続力が必要となりやすいです。
そこを大きく短縮できるのが学びの機会です。
さきにポイントやコツを知って、それに沿って行動することで素早く確実な知恵として上達と可能になります。
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